矯正治療と成人の予防歯科

INBISIBLE ORTHODONTIC AND PREVENTIVE DENTISTRY OF THE ADULT

高齢になれば歯を失うのは当たり前?

私たちは高齢になれば歯を失うことは当たり前であり、老化現象のように思いがちですが、歯を失うことには原因があってけっして老化現象ではありません。お口の中を健康に保つことさえできれば、歯を失うこともありません。

歯を失う原因の9割は虫歯と歯周病といわれ、とくに中高年にさしかかると急激に増えてくるのが歯周病です。40代ともなるとほとんどの人が罹患しているといっても過言ではありません。歯周病は痛みがないために放置してしまって手遅れになるケースも多く、出血したり、歯がぐらついてきて慌てて歯科医にかかっても、その時には歯ぐきの骨が歯周病菌に冒されていて最悪の場合は抜歯をせざるを得なくなってしまいます。
 
しかし、歯周病は早期に気がついてプラークコントロールさえしっかり行えば、進行を食い止めることができ、歯を失うリスクを回避することができます。

ただ、歯磨きが大事だということはわかっていても、仕事や家事に追われて丁寧なブラッシングができていないという人も多いのではないでしょうか。ましては歯並びがでこぼこで歯ブラシの届かない部分があるといった場合は日々のメンテナスにも限界があります。隣の歯と歯が重なっていたりするとその部分に磨き残しができて歯垢や歯石がたまりやすくなり、そのまま放っておくと虫歯菌や歯周病菌の温床となってしまうからです。

歯科検診を受診し、PMTC(歯科医師や衛生士による専門的な歯のクリーニング)も受けるとよいのですが、定期的に受けているという人はまだまだ少数派です。

現代人の多くが年齢とともに歯を失っていく原因を探れば、不正咬合からくるメンテナンスのしにくさも含めてプラークコントロールがしっかりできていないために歯垢、歯石が蓄積してしまうことにその端緒があるといえるのではないでしょうか。ですから、不正咬合を治療して歯並びをきれいに整えて歯垢や歯石を溜まりにくくすれば、歯を失うリスクも劇的に減らすことができるのです。

矯正治療は乱れた歯並びを治して審美性を高めることが目的という認識が浸透していますが、じつはそれだけではありません。口腔内の衛生環境を改善することで歯と歯ぐきを歯周病やむし歯から守り、健康を維持するという大事な目的があるのです。しっかりと噛み合うように歯を配置しなおすことによって、最終的に美しい歯並びが得られます。

成人の矯正

実際に将来、歯を失いたくないという理由から成人になって矯正治療を受ける方も多く、その際、舌側矯正を選ぶ人が増えています。

表側の矯正の場合はどうしても装置が目立ってしまって嫌だということがあるようです。外出先や仕事で会う人会う人に矯正のことを聞かれて、たいへんわずらわしい思いをしたという方もいらっしゃいます。舌側矯正(裏側からの目立たない矯正)であれば、装置が見えないので治療していることを気づかれる心配はありません。矯正治療のことを聞かれていちいちその説明をするといったわずらわしさも感じなくてすみます。

矯正治療をして歯も歯ぐきの骨も健在であれば、周囲の人に元気で若々しい印象を与えます。口元というのは意外に年齢が出やすいところなので、矯正治療は究極のアンチエイジング治療といっていいかもしれません。

“矯正治療が超高齢社会を救う”といっては大げさかもしれませんが、歯並びを治しておくことが、いかに人生の後半生によい影響をあたえるかがわかります。歯と歯ぐきが健康であるおかげで食事も自由に楽しめ、自分らしく、生き生きとした人生を送ることができるからです。

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