世界のなかの舌側矯正事情とWSLO

INVISIBLE ORTHODONTIC OF THE WORLD AND WSLO
舌側矯正(裏側からの目立たない矯正)は1970年代日本人によって開発されたもので、世界に先駆け実用化され、70年代後半には世界中にその技術が発信されました。
特に、矯正治療の普及率が高いアメリカで最初に受け入れられ、より高度な技術を目指して研究開発が進められました。
しかし、1980年代初頭では技術的発展が未成熟だったこともあり、治療方法が難しい、治療時間が長くかかるなどの難点があったため、結果的にはあまり流行しませんでした。

一度は下火になりましたが、80年代後半になって、矯正治療中の見た目を気にする日本でのニーズを考えた矯正歯科医が、日本でさらなる技術の研究開発をすすめました。
そして同時期に、治療中でも審美性が保てることを大いに評価する傾向があったヨーロッパ(特にフランス・イタリア等)や韓国でも、それぞれ舌側矯正の技術をもう一度高めようという動きが広まり、発展しました。
ヨーロッパにはESLO(European Society of Lingual Orthodontics、ヨーロッパ舌側矯正歯科学会)という学会もでき、そこが事実上、世界で最も権威ある学会となりました。

しかし近年、こういった発展の経緯と、特に技術力の高い日本や韓国の存在などによって、ヨーロッパの学会としてではなく、あくまで世界的な学会として、舌側矯正技術の研究開発に努めようという動きが高まってきました。
そうして設立されたのがWSLO(World Society of Lingual Orthodontics、世界舌側矯正歯科学会)です。
「全世界の舌側矯正のさらなる進歩をはかり、すべての舌側矯正医に等しい機会を与える」ことを目的に、2006年、ニューヨークで第1回目が開かれました。

このように、舌側矯正(裏側からの目立たない矯正)は歴史的にもここ30年ほどで世界規模にその技術が洗練されてきた分野であり、その中でも、開発国である日本の治療技術力は飛びぬけて高いものとなっています。
 
 
 

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