裏側矯正治療の医院訪問記

ORTHODONTIC SPACIALIST INTERVIEW ISSUE
vol.11
INTERVIEW ISSUE
イーライン矯正歯科
竹元 京人 Kyoto Takemoto
 

美しさだけではないハイエンドな矯正治療とは

昨年末院内を特徴的なデザインで全面的にリニューアルしたイーライン矯正歯科 院長竹元京人先生に近況をお伺いしました。

リニューアル後の医院へ一歩入った皆さんの反応は「宇宙船の中みたい」とか「近未来的」という感想ですが、そのデザインの真意もお話しいただきます。
 
 
院内のデザインはスクエア(正方形)が基調

■最近の矯正歯科で世界的な潮流はありますか?

矯正装置の各メーカーが治りやすさだけの追及から審美性を求めるものに変化しています。
以前は舌側矯正の装置を作っているのはアメリカのオームコというメーカー1社だけでしたが、今は複数のメーカーで作るようになってきました。これは治療中の審美性を求める流れが強くなり、舌側矯正の審美性が世界的に評価されているからです。

私たちの医院ではS.T.b.という装置を10年ほど前から開発してきました。これは裏側からの目立たない矯正であり、しかも装置が小さいというものです。装置が小さいことは口の中で当たるところが少なくなるので患者さんにとって大きなメリットが生まれます。しかし、治療する側は歯を動かすためのコントロールが難しくなるのでこの点の改良を重ねてきました。

最初に着手した私たちの装置開発が他のメーカーの開発を促した側面もありますが、世界中の患者さんが矯正治療中も美しくありたいと願うようになったことが大きいと思います。

■舌側矯正については最近の動向はいかがですか?

最近コンピューターを使って矯正装置のワイヤーを曲げる方法が出ています。一見するとコンピューターで精密に仕上げられるように思いますが、歯を動かすことをワイヤーのコントロールだけに頼っているためうまくコントロール出来ない場合も出ているようです。これらはヨーロッパで開発された経緯から欧米人の凸凹が少ない歯にはよいかもしれませんが、日本人のように歯の凸凹が多い場合は向かないこともあります。

矯正装置は歯に付けるブラケットとワイヤーで構成されていますが、ブラケットを精密に位置決めして取り付けることで歯のコントロールは容易になり、ワイヤーを取り付けるときの患者さんへの負担も少なくなります。
これは治療する歯科医師と歯科技工士との連携で良いものが出来上がります。
治療は歯科医師が主体となって行うものなので、コンピューターを制御の中心にすえた治療であっても治療する歯科医師の矯正に対しての知識と経験は不可欠で、まだ研究を進めていく余地があると思います。

また、歯科用のCTが導入されることで以前はわからなかったことが分かるようになってきました。
CTの撮影で歯の根の位置や顎の骨の状態がわるので、どう歯を動かすのが一番良いといった診断がしやすくなります。
 
院内に歯科用CTを設置
 

■今回特徴あるデザインで医院をリニューアルしましたが、その趣旨をお話し下さい。

先に小さな装置をコントロールするのは難しいと話しましたが、今までは装置のワイヤーを収めるブラケットはどれも長方形をしていました。長方形のものはワイヤーとブラケットの間に遊びが多く一定の方向に力が定まりにくいものでしたが、私たちが開発したスクエア(正方形)のスロットは360°均一に力がかかり、3次元で正確に歯をコントロール出来るようになりました。この象徴となるスクエア(正方形)を医院のデザインにも取り入れてリニューアルしています。
 
    従来のタイプ
 
新しいスクエアスロット
 
また、私たちが目指しているのはハイエンドな矯正治療です。
矯正治療を表面からみた歯並びの良さだけでとらえていることが多いですが、将来にわたって健康を保つためには見た目だけでなく、歯並びを変えても問題なく各器官が機能していることが重要です。
歯を動かす矯正は見えている歯の部分だけでなく、歯の根の部分も顎の骨に適切に収まっていることが重要で、そのようにコントロールしていきます。また、治療後の状態を見極めずにむやみに抜歯をして歯の位置を後退させると気道を狭くしてしまい歯とは関係のない器官に影響を及ぼすこともあります。
各器官の機能が正常に働くことは人間の生命にとって重要であり、機能をそこなわない治療は世界的な流れでしょう。
このように単に表面的な歯並びだけでなく、患者さんにとってベストな治療とはなにか、健康であるための機能も重視したハイエンドな矯正治療を目指しています。

■訪問を終えて

初めて医院へ行くと、入ったとたん斬新なデザインに驚きます。その後にこのデザインに込められた思いを聞くと納得します。
治療については「ハイエンドな矯正治療」をコンセプトにすえていますが、根底にあるのは患者さんにとって何が一番良いかを身体機能の面まで十分考慮して治療を行っていると感じました。
 
 
 
カウンセリングルーム
 
 
院内にある技工室
 
 
 
  • 住 所
  • 〒102-0074 東京都千代田区九段南2-5-7
  • 電話
  • 03-3264-8814

 
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