ドクターズボイス

DOCTORS VOICE
vol.12
DOCTORS VOICE
井坂矯正歯科
院長 井坂 文隆 Isaka Fumitaka
 

舌側矯正と部分矯正

前歯の歯並びをちょっとなおすだけなら部分矯正で出来るだろう。裏側からの目立たない矯正でやれば 周りにも気づかれず最適と思う人も多いようです。

しかし、部分矯正の適応例はそれほど広くないことを知っておいて欲しいと思いま す。

まず、上下の噛み合わせがしっかりと噛み合っている場合は行えません。なぜならそ
の状態で片方の歯だけを動かすと噛み合わせがずれてしまうからです。このよう場合
は全体を動かす通常の矯正治療が適応です。
治療前:歯並びはデコボコですが、上下はしっかりかみ合った状態
治療後:部分矯正でデコボコは良くなりますが、上下がかみ合わなくなる
 
噛み合わせが深く噛んでいる場合も部分矯正は不適です。この状態で部分的に矯正装置を付けると、噛みしめたときに矯正装置に歯があたって装置を壊してしまうことがあるためです。

下の歯が上の前歯内側に深く噛みこんでいるようなケースでは舌側矯正の装置を部分的に付けることは出来ません。
舌側矯正の装置は部分的にしか付いていないので、噛みしめたときに当たる
 
つぎに部分矯正を行うときの歯の数ですが、前歯では6本が目安になります。

「前歯がすきっ歯なので2本だけ詰めたい」という要望をいただくこともございますが、2本の間を詰めると、その隣が空いてしまい目立ちます。やむを得ず部分矯正で治療する場合でも、前歯の6本を動かせばそれほど目立たなくなります。
治療前:前歯がスキッ歯になっている
2本だけの矯正はその横に隙間を作ってしまい目立ちます
6本を部分矯正した場合は正面から見ても目立たなくなります
 
私たち矯正医は患者さんの長期的な健康を考えて治療します。美しい歯並びと健康のためのかみ合わせを同時に満たせるか、ここを考えて診査・診断にあたります。

迷われているようでしたら、まずは専門医でカウンセリングを受けてみて下さい。
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